酒蔵Webツアー

木曽川沿いの山側、かつては御嶽信者行列で賑わいをみせた旧御嶽街道に面したところに私どもの酒蔵があります。入口には大きな手造りの酒林(杉玉)が掲げてあり、初めて見た人は大きな蜂の巣!と間違えることもあります。

入口を入りますと、まず歴史を感じる黒い柱。約150年前に建てられた酒蔵ならではのおもむきです。

そんな店頭にはゆっくりと腰をすえ試飲を楽しめる長椅子があり、くつろいでお酒を堪能することができます。


そこを通りぬけ酒蔵に近づきますと、日本酒独特の香りがほんのり漂ってきます。いよいよ酒蔵見学の始まりです。

 
 

1. 仕込み水 水槽に貯水してあるのが仕込み水です。

昔から酒蔵は、水の良い土地にできました。しかし、近年は環境悪化のため良い水の 確保に苦労する蔵がたくさんあります。そんな中、中善酒造店では水源のままの水を 一切の濾過をせず使用しています。仕込み水は、良質な木曽御嶽山系の天然水です。


木曽御嶽山系の伏流水です。

お店の入口、旧御嶽街道を挟んだ山側に鍵のかかった小さな木戸があります。
その中はなんと30mもある真っ暗な洞窟です。だんだんと狭くなっていて、大人が屈んでやっと 入れる大きさです。その洞窟の一番奥から御嶽山系の天然水が豊富に湧き出ています。 その水を酒蔵までひいて仕込み水として使用しています。
水質はやや軟水で、旨味もありながらすっきりとしています。 どうぞお飲み下さい!

 
 

2. 洗米・浸漬(しんせき)タンク


お米を浸漬するタンクです。

洗米と浸漬の作業を行う場所です。
洗米は、精米したお米の表層についている糠(ぬか)を、冷水で洗い落とす作業です。最近は機械洗いが主流ですが、米の約半分まで精米した吟醸等の洗米は、赤ちゃんの肌を洗 うようにゆっくりと柔らかく手洗いをします。 浸漬は、お米を水に漬ける作業です。

浸漬では、米粒の中心まで水を十分に吸収させることが求められます。浸漬時間は米の種類、白米の水分、精米歩合、水温等によって変わりますが、 高精白になるほど吸水力が高くなるので、ストップウォッチで計測しながら 短時間で行わなければなりません。

 
 

3. 甑(こしき)


お米を蒸す「こしき」です。

これはお米を蒸す釜です。この大きな釜は「こしき」といい約1tのお米が入ります。
食べるお米は炊飯ジャーに水といっしょに入れてスイッチオン、ですが、 お酒造りの米は「甑(こしき)」入れて蒸します。なぜ蒸すかというと、 米のでんぷんは蒸すことにより、麹(こうじ)の作用が受けやすくなるからです。 蒸さない米では麹のパワーを受けることができません。 蒸し時間は約1時間です。米の内側を軟らかく、外側を硬く蒸しあげるのがコツです。

 

こちらの重くて厚い扉の向こうが土蔵の酒蔵です。

 
 

4. タンク


琺瑯(ほうろう)塗りのタンクです。
かつては木の桶がつかわれていましたが、昭和初期に琺瑯(ほうろう) 塗りのタンクが開発されて、現在ではほとんどの酒蔵が琺瑯タンクか ステンレスのタンクを使用しています。琺瑯(ほうろう)は、 木の桶に比べて維持管理や消毒が容易であるだけでなく、もろみに余計な木香がつきません。 このタンクに記されている数字は、一番上の数字がタンクの番号(名前)、二番目は容量(リッター数)、三番目がこのタンクの使用が許可された日です。

 
 

5. 麹室(こうじむろ)


麹室(こうじむろ)といい麹を造る部屋です。 麹室の中は、室温約30度・湿度60%という真夏のような暑さです。
昔から、酒造りの工程を「一 麹、二 酒母、三 造り」と言います。
まずは酒造りの難関であり重要な、二昼夜におよぶ麹造りからスタートします。 蒸した後、約35度まで冷ました蒸米を麹室に引き込み、 床いっぱいに広げ種麹をふりかけ、すばやく手もみをします。 そして、麹菌が均一に発育するように麹米の山を崩し、 手で混ぜ合わせる切り返しといわれる作業を行います。 その後、仲仕事、仕舞仕事等の作業工程を経て、出来あがった麹は 栗のような甘い香りです、真綿のような美しさは一見の価値があります。

麹米は、この部屋のむかいにある枯らし場に運ばれます。 こちらの枯らし場の室温は約15度です。麹米の温度を急激に下げて結露 させないようにすることと、麹米の余計な水分を飛ばすためにこの部屋で一日枯らします。


こちら階段をお上りください。酒母室があります。

 
 

6. 酒母室(しゅぼしつ)


こちらの部屋が酒母室です。
「酒母」とは読んで字の通り酒の母、人間で言うとお母さんのおなかの中です。 そして、酵母は赤ちゃんです。
酵母は糖分をアルコールにする力を持つ微生物で、アルコールだけではなく、 あのすばらしい吟醸香や味の成分となる酸などの日本酒らしい香味をつく り出してくれるのです。空気中の雑菌に汚染されないように大切に育てます。 タンクに水と麹と酵母を入れ、水麹というものをつくります。 ここに冷ました蒸米を入れます。吟醸等の長いもので約二週間をかけて酒母が出来上がります。

先ほど上ってきた階段をもどり仕込み蔵へまいります。

 
 

7. 仕込み蔵(しこみくら)


仕込み蔵は、創業当時のままの土蔵造りです。見てくださいこの立派な梁!初代の中澤善吉が残してくれた大切な宝物です。
土蔵は外の気温が伝わりにくいため、夏は約15度と涼しく、 冬は約5度と酒を仕込む温度に適しています。 麹と酒母が出来上がると、いよいよ本格的にアルコール発酵させる仕込みです。
日本酒の仕込みは通常、タンクの中に酒母、麹米と掛け米(洗って蒸した米)、 仕込み水を入れますが、一度に全部入れるのではなく、4日かけ3回に分けて足していきます。 一日目を「添(そえ)」といい、タンクに1回目の酒母・仕込み水・麹米と掛け米を入れます。
二日目は「踊り」といって仕込みはお休みの日で、酵母の増殖を促します。
三日目を「仲(なか)」といい、大きなタンクに移し、2回目の仕込み水・麹米と掛け米を入れます。
四日目には仕込み水、麹米と掛け米の量を多くします。3回目は「留(とめ)」 といいます。この状態のものを「もろみ」といいます。

創業当時のままの梁です。

酵母の力でアルコール発酵が進むともろみの表面が泡で覆われます。泡はしだいに濃さを増して盛り上がってきます。 この泡の様子や香り、アルコール、糖分、酸度等のデータを見守りながら、 一本一本のタンクの発酵温度を微妙に調整するのです。
留仕込みから約30日後、香味のバランスが整った時点でしぼります。

 
 

8. もろみ圧搾機


お酒をしぼる機械です。
発酵が終わったもろみはにごり酒状態です。 もろみを圧搾機に入れ圧力をかけると、清酒と酒粕(さけかす)に分かれます。 しぼりたての原酒の香味をチェックする時は、我が子のような酒の誕生を待ちわびた 造り手の緊張する一瞬です。板と板の間に張りついたものが冬場に出まわる板粕です。 板粕はそのまま焼いて食べてもおいしいですし、粕汁等にして食べてください。
冬場に出荷しなかった酒粕は酒粕熟成用タンクに貯蔵し、7月くらいまでほどよく 熟成させ練粕(夏粕)として出荷します。練粕はワサビ漬や奈良漬といった漬物用として使われます。


酒袋を使った袋しぼり

お酒によっては、もろみを酒袋に入れ自然の圧力で一滴一滴しぼる手間暇かけた 「袋しぼり」という方法でしぼります。しぼられた新酒のほとんどは熟成のため貯蔵タンクへ送られます。熟成貯蔵タンクで眠りながら、瓶詰を待ちます。



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